清水の井戸

天沼中学校は、天沼1~3丁目、上荻1丁目・2丁目の一部、本天沼2・3丁目の一部、清水1・2丁目の一部が学区となっており、天沼中学校のすぐ西側は清水1丁目になっています。

江戸時代は清水の町域は「沓掛」だったそうですが、昭和7年に杉並区が発足した際、「沓掛町」と「清水町」に分かれ、そこから「清水」という町名が使われるようになったそうです。

昭和38年から行われた杉並区の住居表示によって、昭和39年から40年にかけて旧清水町は清水1・2丁目、桃井1丁目になりました。元々の地名である「沓掛」が住所表示から消えてしまったのは、いろいろな事情があるとは思いますが、少々残念です。

 

元々この清水の地域には、清水が湧く湧水池がいくつもあったそうです。町名の清水の由来となった現在も水が湧いている井戸が、学校からほど近くの場所にあります。

由来について書かれている看板を読むと、わき水は稲の生育に適さないため、土を入れて畑としたのですが、水の神への冒涜になると土を取り除き、現在の形に整備したと書かれています。この地域の方が淸水の湧く場所を大切にされていたことをうかがえます。

ちょうど、この場所は周囲と少し下がったところにあります。すぐ北側には遊歩道があり、今は暗渠となっていますが、昔は小川が流れていたであろうことが予想されます。住宅地になり変わってしまった景観が多い中で、過去を偲ばせるスポットだと思います。