判断力

最近報道等では、基礎控除引き上げ等の税制に関する話や、兵庫県知事選挙等の国内の政治問題が大きく報道されているので、少し「闇バイト」の話について報道が落ち着いてきたように思います。しかし、「闇バイト」の事件は減っているということはなく、実際には発生しているのではないかと推察しています。

「闇バイト」の問題は、ここも個人的な推察に過ぎませんが、いわゆる「振り込め詐欺」の手口が巧妙化し、かけた手間と詐取できる金額の割が合わなくなってきていて、家から直接窃盗や強盗を起こしていく流れにつながってきているのではないかと感じています。「振り込め詐欺」の受け子と言われるお金を受け取る人は、若い人が多くSNS等で応募した人が気軽に行っていたという報道があったことを記憶しています。今回の強盗につながるような凶悪化した犯罪についても、入り口はSNSでの応募からという話があり、応募した人が簡単には逃げられないように巧妙に仕掛けられているというような報道もされています。

私が教員になった時代は、携帯電話の普及率がまだまだ低く、PHSが高校生が持ち始めたくらいの時代でした。10年、20年経つと高校生になると携帯電話・スマートフォンを皆持ち始める時代になり、最近では中学生は当たり前のようにスマートフォンを所持する時代になりました。スマートフォンはネット回線とつながった小さなPCですので、小中学生から「インターネットと常時接続されている状態が当たり前」という環境になっています。
そういった中で、大人がフィルタリング等をかけて危険な情報にアクセスできないように制限をかけていくことは大切なことではありますが、かけた制限をすり抜けてくるものが必ずあり、子どもたちが自律的に判断し危険な情報にはアクセスしないという判断力をつけていく必要があります。

学校の中でも情報リテラシーに関する指導を行っていますが、普段の生活の中で折に触れ生徒と情報リテラシーについて考える機会をつくっていく必要があると感じています。ご家庭におかれましても、生徒にスマートフォンをもつ責任について、保護者のスマートフォンを持たせる責任について話し合っていただく機会をふやしていっていただければと思います。